今、変わるべきでしょ!可藁津今茂の経営日記
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ご縁を大切にする
名刺は『始まり』にすぎない
月に1〜2回、経理処理のために実家へ帰ると、父・可藁津今茂(68歳)とお茶を飲みながら話す時間がある。
この日も、机の上には名刺の山が積まれていた。
「この前な、〇〇さんに会ってきてん」
聞けば、昔からの取引先の紹介で知り合った人らしい。
父はそんな話を嬉しそうにする。
父は人脈が広い。
それは偶然ではなく、自分から足を運び、人に会いに行くからだ。
展示会、勉強会、懇親会・・。顔を出し、必ず相手の名前を覚え、次の機会につなげていく。
「名刺交換はな、一回やったら終わりちゃうねん。何回も顔を合わせて、やっと知り合いになるんや」
そう言う父の言葉には重みがある。
繋がりを続ける工夫をする
私はというと、SNSでのつながりが多い。
プライベートで趣味の仲間とつながったり、遠方の友人とも日々やりとりできる。
一度も直接会ったことがなくても、コメントやメッセージの積み重ねで、親しさが生まれることもある。
父と私では、つながりの作り方はまったく違う。
でも、共通しているのは「一度きりでは関係は深まらない」ということだ。
顔を合わせるにせよ、メッセージを送り続けるにせよ、時間と回数の積み重ねがご縁を形にしていく。
父のようにリアルで足を運び、相手と向き合う力。
私のようにオンラインで距離を超えてつながる柔軟さ。
どちらも、つながりを続けるための工夫だと思う。
父の山積みの名刺を見ながら、私もSNSの友達リストをスクロールした。
せっかくのご縁を、一度きりで終わらせるのはもったいない。
やり方は違っても、大切に育てていく気持ちは同じだ。
今回の気づき
名刺交換もSNSのフォローも、スタートにすぎない。
繰り返しの接点が、信頼や人脈をつくっていく。
この物語はフィクションですが、実際の経営現場でよくある話をもとにしています。