今、変わるべきでしょ!可藁津今茂の経営日記
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『SEOって、なんとなく怪しい』
拒絶の裏にある“わからなさ”
月に1〜2回、経理処理のために名古屋から実家へ帰ると、父・可藁津今茂(68歳)から「ちょっとこれ、見てくれんか」と資料を渡される。
この日も、父が一枚の紙を広げた。そこには「SEO対策のご提案」と書かれた営業資料。
「これ、なんか怪しいんよ。よぉわからん横文字ばっかりやし、金ばっかりかかりそうやし」
予想通りの反応だった。
私も、正直なところ、少し前までは「SEOって、なんか怪しい響きだな」と思っていた。広告と何が違うのか、結局何をしているのか、よく分からなかったから。
不安だから怖い
「でもさ、お父さん。お客さんに見つけてもらうには、ホームページをただ作るだけじゃなくて、どう検索されるかも考えないといけないんだよ」
そう伝えても、「そんなもん、うちは紹介で仕事しとるし・・」と首を傾げる。
ただ、少し前の会話を思い出した。
「最近、取引先も減ってきとる。若い子らが会社継いだら、付き合いや慣れより、値段やネットで決めよるからのう・・」と、父はポツリとつぶやいていた。
ああ、やっぱり少し不安なんだ。
でも、知らないから余計に怖くて、「そんなもん意味ない」と突っぱねたくなる。
わからないことに直面したとき、人は自分を守ろうとして、つい否定から入る。
それは父だけでなく、私自身も同じ。
仕事でもプライベートでも、専門用語が並ぶ説明を受けたら、「難しそう」「何か騙されるかも」と不安になるのは、自然な反応だ。
ちゃんと学べば、必要性の判断がつく
でも、『わからない』ことを理由に全部を拒んでいたら、会社はこれからの時代を生き残っていけない。
製造業である父の会社も、モノづくりの腕一本でやってこれたけれど、これからは「どう見つけてもらうか」「どんなふうに見られるか」まで考えなきゃいけない。
だからこそ、知らないことを「知らないままにしない努力」が必要なんだと思う。
ちゃんと学べば、必要なものとそうでないものを見極める力もつく。知識があるだけで、防衛にもなる。
「難しそう」と言って避けていたことの中に、これからの突破口があるかもしれない。
少しずつ、そんなふうに父の考えも動いていってくれたらーと、願っている。
今回の気づき
わからないからこそ、不安になる。だからこそ、向き合う姿勢が大事。新しい知識は会社を守る武器にもなる。
この物語はフィクションですが、実際の経営現場でよくある話をもとにしています。