今、変わるべきでしょ!可藁津今茂の経営日記
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「誰も見てへんし」「問い合わせないのが普通やろ?」
可藁津 今茂、ホームページの役割にまったく気づかないの巻
「まあ、そもそも問い合わせなんか来るわけないやん。
ワシがおるから仕事は来るんやから」
朝の事務所、古びたデスクトップPCの前で、可藁津 今茂社長(68歳)は笑って言う。
ホームページなんて名刺代わり。あれば十分というのが、ここ何年も変わらない口癖だ。
社長の人脈と営業力
この会社はもともと、社長の人脈と営業力だけでやってきた。
地元のつながり、紹介、経営者仲間。
「可藁津さんがやってる会社なら安心やろ」
そんな口コミと信頼だけで、ここまで成長してきた。
ある意味、今茂自身が名刺代わりみたいなもの。
とはいえ、15年前に作ったホームページは、今もそのまま放置。
ページ内には、今では当たり前になったGoogleマップの埋め込み地図があるのだが、数年前からエラー表示のまま。
パソコンで開くと、地図エリアには「このページでは Google マップが正しく読み込まれませんでした。」というエラーメッセージがドンと表示されている。
社員からの提案も
社員が「社長、これ直した方がいいですよ。初めて来るお客さんが場所探すとき困りますし・・・」と言っても、
今茂社長はこう返す。
「Googleマップで住所を検索すりゃ出るやろ?
ホームページで地図見んでも、スマホでピッとやれば済む話やん。
わざわざ直す必要あるか?」
つい先日、帰省した娘が、スマホで会社のサイトを開きながらぼやいた。
「お父さん、会社のホームページ、地図エラーのままやん・・。
しかもスマホで見ると文字もレイアウトもぐちゃぐちゃだし・・」
「そんなん誰も気にせえへんて。
うちに来る人は、ワシを知ってる人しかおらん」
「・・ほんと、変わらないね」
娘は苦笑いしながらスマホを閉じた。
実際、社員も何度かホームページの改善を進言してきたが、
そのたびに「また原稿書くんは嫌や」「前は1年かかったんやぞ」で却下。
でも、最近ほんの少しだけ、社長の心にもひっかかりがある。
「まあなぁ、言われてみたら、最近、新規の問い合わせはほんまに減った気はするけどな。
けど、それって時代のせいやろ?」
責任は「時代」に押し付けたまま、今日もそのままのホームページで営業は続く。
変わるべきポイントはココ!
「誰も見てない」=「改善しなくていい」ではありません。
実際は、見に来た人が静かに離れていってるだけ、というケースがほとんど。
古い情報、崩れたレイアウト、地図エラー・・。
第一印象で「この会社、大丈夫かな?」と思われているリスクに、気づくところがスタートラインです。
「社長自身が名刺代わり」だった時代から、「会社の顔はまずネット上」に変わっている。
そこに、そろそろ目を向ける時期かもしれません。
このシリーズは、「時代の変化についていけないけど、どこか憎めない社長」を通じて、
経営に潜む思い当たるあるあるをユーモラスに描いています。
「うちにも可藁津 今茂がいるかも・・?」と思ったら、ぜひ参考にしてみてください。